事業企画
新しいビジネスの創出に挑む。その目指すゴールや現在直面している課題とは?
member profile
メンバープロフィール

アリーナプランニング部 事業企画室 / 室長
山本 靖人
大学卒業後、旧デルフィス(現トヨタ・コニック・プロ株式会社)に入社。同社でマーケティング・プロモーションに関する企画業務を経て、その後、管理部門、新規サービス開発業務を担当し、2022年4月より、トヨタアルバルク東京株式会社へ出向。

クラブ事業部 運営企画室/マネージャー
手塚 明子
大学卒業後はプロバスケットチームへ入社。興行運営、演出、企画、などの業務に従事。その後、他チームでも同様に興行運営関連業務を経験し、2020年8月にトヨタアルバルク東京に入社。
QUESTION 01
お二人の担当されている業務の内容を教えてください。
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山本
私はアリーナ事業全体の中で、企画と広報を担当しています。
インタビュアー
企画・広報というと幅広いと思うのですが、具体的にはどのような業務になりますか?
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山本
企画領域に関しては、クラブとアリーナの一体経営によるシナジー創出のための「(クラブ事業と連携した)建築・展示企画」や、アリーナビジネスの可能性拡大に挑戦するための「自主興行企画」、さらには、施設単体のみならず、周辺エリア全体での賑わいづくりにつなげるための、「フードフェスやイルミネーション企画」等、社内外の関係者と連携して、幅広い検討を行っています。
広報業務では、施設の情報発信全般を担っています。オウンドメディアであるWebサイトやSNSの運用、ニュースリリースの作成と配信、パートナーシップに関する外部発表、各種発表会やメディア対応なども担当しています。手塚
私は、バスケットボールクラブ「アルバルク東京」のホームゲームにおける興行の企画・運営・演出を担当しています。Bリーグスケジュールに合わせた興行全体の構成設計と、試合当日の現場演出までを一気通貫で見ています。たとえば、ターゲットごとの訴求設計に応じて、「キッズデー」「グルメフェス」などのテーマイベントを企画したり、場内演出の演出要素を協力会社と調整しながら制作しています。
QUESTION 02
自主興行を実施する最終的な目標はどんなところにありますか?
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山本
私の立場から言うと、一番は「アリーナビジネスの可能性追求」ですね。新しい収益の柱を立てることが大きな目的です。 それと、「一体経営」つまりコンテンツを自分たちで持ち、その発信の場であるアリーナも自分たちで運用しているという体制、この強みを活かせるかどうかもすごく重要なポイントです。
貸館だけでは売上に限界があるし、独自価値を打ち出せなくなったり、需要が減退すれば、稼働率が低下するリスクもないとは言えない。自分たちでイベントを仕掛けられるようになれば、稼働しない日に自分たちで埋めることもできるし、経験を積んでいくことで、興行主の方々に対しても、むしろこちらから企画の提案をしていく、ということもできるようになっていきたいと考えています。手塚
私も「会社としての新たな柱をつくる」という点では山本さんと同じ考えです。クラブの観点で言うと、バスケットの興行は年間で30試合程度で、アリーナの稼働日数には限りがあります。だからこそ、それ以外の部分を補っていけるような、自分たちの力が必要だと思っています。
さらに言えば、自主興行を通じてエリアに賑わいが生まれれば、それがきっかけでアルバルク東京を知ってもらえる機会も増えると思うんです。そうやってクラブの認知や興味が広がっていくことで、最終的にチームの興行にも還元される——そんなサイクルが理想だと考えています。エリアが活性化すれば「ここでイベントをやりたい」と考える団体も増えると思いますし、貸館ビジネスにも良い影響が出てくるはずです。
QUESTION 03
自主興行の実施検討における、現在の状況や課題などあれば教えてください。
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山本
現在は、このアリーナでどのように自主興行事業を行っていくのか、目指すべき方向性や事業計画等、いちから検討をしている状況です。私自身はこれまで自主興行のの企画経験があるわけではないため、手塚のようなクラブ事業の知見や、イベント主催者と日々向き合っている興行誘致チームにヒヤリングを行う等、知見を蓄えながら目指すべき姿を模索しています。
手塚
バスケットボールの興行に関してはこれまでの経験があるので、データもありますし、アプローチ先の企業などもある程度把握できています。でも、バスケット以外のスポーツだったり、さらにスポーツ以外の分野となると、もう本当に素人のような状態です。 その中で特に課題だと感じているのは、やはり集客面ですね。自主興行は「ゼロイチ」で立ち上げていくものなので、アイデア勝負でやってみるのも大事かもしれませんが、ビジネスとして成立しているかどうかを示すデータや実績がまだない中で、どこでGOを出すか。その判断が非常にシビアで、立ち上げ期ならではの苦労だなと感じています。
QUESTION 04
自主興行のほかに、企画の業務はどのようなものがありますか?
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山本
建築・展示企画の、ユニークな取り組みのひとつとして、「MEMORIAL BRICKS」があります。これは、アリーナ施設内に設置されるレンガに、好きなメッセージや名前を刻めるという企画で、アルバルクファンや、アリーナ建設に携わっていた方等、多くの皆さまに参加いただきました。
また、「TOYOTA ARENA TOKYO」にご来場されたお客様が快適に楽しく過ごしていただけるような、コンコース内空間企画に加えて、当施設のコンセプトや活動、さらにはアルバルク東京の魅力を知ってもらうような仕掛けづくりも企画してます。
広報関連企画では、アリーナのコンセプトやメッセージをしっかり世の中に発信していくために、開業関連の広報イベントや、各ステークホルダー向けの内覧会やアリーナツアー等の企画も行っております。
QUESTION 05
企画業務のポジションとしては、どのような人材を求めていますか?
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山本
大前提として「これをやってみたい」「こういうイベントをつくりたい」といった熱意や情熱を持っている方がいいですね。トヨタアリーナ東京では、誰かに言われたことをこなすような働き方ではなくて、自分で「こうしたらお客さまに喜んでもらえる」と信じて、自ら引っ張っていく姿勢が必要になります。それに、最初に立てた計画通りには進まないことも多いので、臨機応変に方向転換しながら、新しい仮説や手順を再構築していく柔軟さも求められます。
インタビュアー
なるほど。そうなると、関係者への説明も大変そうですね。なにせ「こうすればこうなる」という明確な答えが見えにくい中での提案になりますし。
山本
まさにそうです。私自身も他の施設で同じような役割を担っている方々にヒアリングを重ね、得た情報をベースに仮説を立てて関係者へ提案しています。 大事なのは「なぜその選択をするのか」を論理的に説明し、周囲を納得させながら巻き込んでいく力です。
そういう意味では、小さな事業を自分で立ち上げていくような感覚に近いかもしれません。インタビュアー
ありがとうございます。
では、手塚さんから見て、今このチームにどういう人に来てほしいと感じていますか?手塚
私も「自分で考えて前に進める力」は、絶対に必要だと思っています。 前例のない挑戦だからこそ、「どうやったら実現できるか」を前向きに考え、推進力を持って物事を動かしていく姿勢が求められます。難しい状況だからこそ、どうしても「あれがダメだった」「これも無理だった」って言い訳したくなる瞬間があるんです。でもそこを乗り越えて、「じゃあどうやったらできるか」と前向きに考えられる人。そういう姿勢を持った方と一緒に働きたいと思っています。
QUESTION 06
お二人が感じているトヨタアリーナ東京の企画業務を行うにあたって魅力に感じている点を教えてください。
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山本
私の場合、「与えられた正解をなぞる仕事」に面白さは感じません。むしろ、正解がないところに飛び込んで、自分なりに仮説を立てて、それをリサーチとロジックで組み立てていくプロセスに強いやりがいを感じます。もちろん、前例がない提案には周囲の不安も伴います。ですが、それらを乗り越えて「納得解」として提示し、関係者が動き出す瞬間には、企画職としての醍醐味があります。経営はチャレンジを求めながらも「失敗したくない」という本音も当然ある。その両軸のバランスに応える必要があります。だからこそ、自由にやりたいなら、その分だけロジックを積み上げてリスクヘッジの設計も示す必要がある。いかに「挑戦したい」という意思を持ちつつ、相手を安心させる材料を用意できるか。そこにこの仕事の力量が問われると思っています。
手塚
私は、「自分たちで設計・実行した施策の成果がダイレクトに返ってくる環境」に魅力を感じています。イベントやコンテンツに対するお客様の反応がリアルタイムに、かつ具体的に届く。良かった点は次の施策に昇華できるし、うまくいかなかった点は素直に受け止めて改善につなげられる。そうした試行錯誤のプロセスが、ちゃんと自分たちの手の中にある感覚があります。 トヨタアリーナ東京は東京の中でもお台場という可能性のあるエリアにありますし、私たちだけでなく周囲のパートナー企業や地域の方々と連携しながら、新しいことに挑戦できる環境が整っていると感じています。